通所リハビリテーション(デイケア)とは?デイサービスとの違い・特徴・選び方をわかりやすく整理【介護職人が解説】

通所リハビリテーション(デイケア)は、デイサービスのリハビリ特化型とは別のサービスであり、医師の管理のもとで専門的なリハビリを受けられる点が大きな特徴です。

  • 通所リハビリテーションは、通称デイケアと呼ばれるサービスです。
  • 要支援1から要介護5まで利用でき、個別訓練や集団訓練を受けられます。
  • デイサービスのリハビリ特化型とは別物で、医師やリハビリ専門職が関わる点が大きく違います。
  • 名前は似ていても、目的・配置職種・対応内容・料金には違いがあります。
  • 利用を考えるなら、名前ではなく本人の状態や必要な支援内容で選ぶことが大切です。

最近はデイサービスにも機能訓練特化型やリハビリ特化型が増えているため、違いが分かりにくくなっているのも事実です。だからこそ、デイサービスかデイケアかではなく、中身で見分けることが重要になります。

目次

通所リハビリテーション(デイケア)とは何か

通所リハビリテーションは、自宅から事業所へ通い、医師の管理のもとで専門的なリハビリを受けるサービスです。通称デイケアと呼ばれ、要支援1から要介護5まで利用できます。名前はデイサービスと似ていますが、中心にあるのは日中を過ごすことではなく、身体機能や生活機能の維持・向上を目的としたリハビリです。

本人の状態に合わせて、個別訓練や集団訓練が行われます。共通サービスに加えて、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上といった選択的なサービスが組み合わされることもあります。現在ではデイサービスと同じく、自立支援や重度化防止の取り組みを進める役割も期待されています。

現場で見ていても、利用者や家族は「通って何かを受けるサービス」ということでデイサービスと同じように捉えやすい傾向があります。しかも、事業所によっては入浴や食事の介助を受けられることもあるため、なおさら似て見えやすいです。ただ、実際には関わる専門職やサービスの目的に明確な違いがあります。

通所リハビリテーションは通いながらリハビリを受けるサービス

通所リハビリテーションは、自宅から事業所へ通いながら、計画に基づいたリハビリを受けるサービスです。自宅で生活を続けながら利用できるため、生活の場を維持しつつ必要な支援を受けやすいのが特徴です。

また、通うことそのものが外出の機会になります。自宅にこもりがちになりやすい方にとっては、定期的に外へ出ることで生活リズムが整いやすくなる点も大きいです。このあたりはデイサービスと共通する部分ですが、デイケアではその中身がよりリハビリ中心になります。

どこで受けるのか

デイケアは、病院や介護老人保健施設、いわゆる老健などで提供されることが多いサービスです。医療やリハビリの設備が整っている環境で受けられるため、専門的な訓練を受けたい人にとっては大きなメリットがあります。

利用を考えるなら、どの専門職がいるのか、どのような訓練に強いのか、設備はどうかという点まで見ておくことが大切です。同じデイケアでも、事業所によって得意分野や対応の幅はかなり違います。

デイケアとデイサービスの違いは何か

デイケアとデイサービスは似ていますが、制度も中身も別のサービスです。特に大きいのは、デイケアが医師の管理のもとで行われ、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門職が関わる点です。

デイサービスにもリハビリ特化型はありますが、あくまで通所介護の一種です。デイケアのように通所リハビリテーションとして位置づけられているわけではありません。そのため、同じ「リハビリをする通いのサービス」に見えても、実際は別物です。

  • デイケア:通所リハビリテーション。医師の管理のもと、専門職が関わる。
  • リハビリ特化型デイサービス:通所介護の一種。デイサービスの中で機能訓練に力を入れている。

リハビリ特化型デイサービスとデイケアは同じではない

リハビリ特化型デイサービスは、名前のとおりリハビリに力を入れているデイサービスです。一方でデイケアは、制度上も通所リハビリテーションとして分かれています。名前が似ているため同じように思われがちですが、関わる職種や対応できる内容には違いがあります。

デイケアの方が専門性と医療的対応に強い

デイケアの強みは、医師の管理があり、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職が関わることです。そのため、デイサービスより専門的なリハビリや医療的な視点を持った支援を受けやすくなります。

その分、料金はデイサービスより多少高めになることがあります。ただ、大事なのは料金ではなく、本人に必要な支援が受けられるかどうかです。

似ている部分があるからこそ中身で選ぶ必要がある

デイケアもデイサービスも、自宅から通う、送迎がある、食事や入浴の介助を受けられる場合があるなど、共通する部分があります。そのため、簡単な内容だけでは違いが分かりにくいです。

だからこそ、名前ではなく中身を見ることが大切です。本人の状態、通う目的、必要なリハビリの内容、その事業所にどんな職種がいて何に対応しているかを確認したうえで、どちらが合うかを判断する必要があります。

デイケアで関わる専門職と役割

デイケアの大きな特徴は、リハビリ専門職が計画に基づいて関わることです。どの職種がいるかで事業所の強みも変わるため、利用を考えるなら資格名だけでなく、実際に何をどこまで見ているのかを確認した方がいいです。

また、同じ専門職がいても、事業所によって重点は違います。一通り網羅しているところもあれば、特定の分野に強いところもあります。利用するなら、その事業所がどこに特化しているのか、あるいはどこまで幅広く対応しているのかは事前に見ておきたいところです。

理学療法士は基本動作の維持・回復を支える

理学療法士は、立つ、歩く、座るといった基本的な動作を中心に支える職種です。筋肉や関節を動かしたり、強化したりしながら、身体機能の維持や回復を目指していきます。

歩行や立ち上がりなど、生活の土台になる動作に課題がある人にとっては特に重要な存在です。利用者や家族にとっても役割が比較的イメージしやすい職種だと思います。

作業療法士は生活動作や生活全般の活動を支える

作業療法士は、食事や入浴といった日常生活動作のほか、手先を使う活動なども含めて支える職種です。単に体を動かすだけではなく、その人が生活の中で必要とする動作や活動ができるように支援していく役割があります。

手芸のような手先を使う活動を通して支援する場面もあります。生活に直結する動きや活動を見ていく点で、理学療法士と近い部分もありますが、より生活全体に寄った視点を持ちやすいのが特徴です。

言語聴覚士は会話や飲み込みに関わる機能を支える

言語聴覚士は、話す、聞く、発音するといったコミュニケーションに関わる機能や、噛む、飲み込むといった食べる機能を支える職種です。会話がしづらい、言葉が出にくい、飲み込みに不安があるといった人にとって重要な役割があります。

嚥下や会話の問題は、日常生活の質に大きく関わります。そのため、こうした部分に課題がある人は、言語聴覚士がいるかどうかも事業所選びの大事な判断材料になります。

なお、現場で見ていると、理学療法士と作業療法士の役割はかなり近く見えることもあります。実際に、理学療法士が作業療法士に近い内容の支援をしている事業所もあります。だからこそ、資格名だけで判断せず、実際の支援内容を確認することが必要です。

デイケアのメリット・デメリットと向いている人

デイケアは、専門的なリハビリを受けたい人には向いているサービスです。一方で、通う負担や集団環境のストレス、施設ごとの差もあるため、誰にでも同じように合うわけではありません。メリットとデメリットの両方を見たうえで考える必要があります。

デイケアのメリット

デイケアのメリットは、まず設備が整っている場所で、専門家の指導を受けながらきちんとリハビリができることです。病院や老健などで提供されることが多いため、訓練環境の面では安心感があります。

また、デイサービスのようにレクリエーションや入浴を主な目的にするというより、リハビリという目標が明確です。そのため、本人も目的意識を持って通いやすく、モチベーションにつながりやすい面があります。

さらに、通いのサービスである以上、外出の機会ができ、閉じこもりの予防にもつながります。これはデイサービスと共通する良さですが、デイケアではそこに専門的な訓練が加わるのが強みです。

デイケアのデメリット

一方で、デイケアにはデメリットもあります。まず、送迎サービスがない施設では通うこと自体が負担になりやすいです。本人の体力や家族の負担も含めて考える必要があります。

また、大人数が集まる施設では、一人ひとりに目を配る時間が少なくなりやすい傾向があります。もちろんすべての事業所がそうとは限りませんが、個別性を重視したい場合はこの点をよく見ておいた方がいいです。

さらに、デイサービスと同じように複数人が一緒に過ごす空間になるため、人と関わることが苦手な人にはストレスになることがあります。設備や対応も施設によって差があるので、施設選びを間違えると、そのままデメリットが大きく出やすくなります。

どんな人に向いているか

デイケアが向いているのは、身体機能や生活機能の維持・向上を目的にしていて、専門的なリハビリを必要としている人です。医療やリハビリ専門職の関与を重視したい場合にも合いやすいです。

逆に、日中の居場所づくりや交流、入浴やレクリエーションの比重を高く考えるなら、デイサービスの方が合うこともあります。ここでも大事なのは、料金が高いか安いかではなく、本人にとって必要な支援が何かで判断することです。

デイケアの一日の流れと利用前に確認したいこと

デイケアは、半日利用か一日利用かで流れも負担感も変わります。利用前には、送迎の有無や利用時間だけでなく、どんな専門職がいて、どんな訓練に対応しているのかまで確認しておくことが大切です。

事業所によって特徴がかなり違うため、一例だけで全部を判断することはできません。ただ、流れのイメージを持っておくと、自分や家族に合うかを考えやすくなります。

短時間利用の流れ

短時間利用では、健康チェックと訓練を中心に、比較的コンパクトな流れで組まれることが多いです。たとえば午前中の4時間利用であれば、家族が施設まで送り、到着後にバイタルなどの健康チェックを行います。

その後、ストレッチやリラクゼーションの時間を設け、日常動作の確認をしたうえで、軽い筋力トレーニングや集団でのリハビリテーションを行います。そして午前のプログラムが終わったら自宅へ帰る、というのが一つの分かりやすい流れです。

半日利用は、体力面の負担を抑えつつ必要な訓練を受けたい人には合いやすい形です。

一日利用の流れ

一日利用では、訓練だけでなく入浴や食事、午後の活動まで含めた流れになります。たとえば送迎がある場合は、施設の送迎車が自宅まで迎えに来て、到着後に健康チェックやバイタル確認を行います。

その後、リハビリテーションを行い、入浴をはさんで集団リハビリを受け、昼食をとります。午後は機能訓練や体操を行い、そのあとにレクリエーションが入ることもあります。夕方になれば、送迎車で自宅まで送り届けるという流れです。

一日利用だからといって、朝から夕方までずっとリハビリだけをするわけではありません。長時間の利用では体への負担も大きくなるため、午後にレクリエーションを入れて調整するのは珍しいことではありません。

利用前に確認しておきたいポイント

利用前に確認したいのは、まずどんな専門職がいて、何に対応しているかです。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がいるのか、何に特化しているのか、一通り網羅しているのかは見ておきたいところです。

  • 送迎はあるか
  • 半日利用か一日利用か
  • どの専門職がいるか
  • どのような訓練に強いか
  • 設備はどうか
  • 本人の体調や負担感に合うか

名前だけで決めるのではなく、中身を見て選ぶことが大切です。利用するなら事前確認は欠かせません。

まとめ

通所リハビリテーションは、デイサービスのリハビリ特化型とは別物であり、医師の管理のもとで専門的なリハビリを受けられるサービスです。名前が似ているため分かりにくいですが、目的、関わる職種、対応できる内容にははっきり違いがあります。

そのため、選ぶときは名前や料金だけで判断しない方がいいです。本人の状態に何が必要なのか、どの専門職の関わりが必要なのか、どのような設備や対応があるのかを見て選ぶことが大切です。

通うサービスは似て見えても、中身が違えば合う人も変わります。デイケアを考えるときは、本人に必要な支援を軸にしながら、事業所ごとの違いまで確認して選ぶことが大切です。

FAQ

デイケアとデイサービスの違いは何ですか?

デイケアは通所リハビリテーションであり、医師の管理のもとでリハビリ専門職が関わるサービスです。一方、デイサービスは通所介護であり、日常生活支援や入浴、食事、レクリエーションなどが中心になります。名前は似ていても、目的や配置職種、対応内容が違います。

リハビリ特化型デイサービスとデイケアは同じですか?

同じではありません。リハビリ特化型デイサービスは、あくまで通所介護の中で機能訓練に力を入れている事業所です。デイケアは通所リハビリテーションであり、制度も管理体制も別です。

通所リハビリテーションはどんな人に向いていますか?

身体機能や生活機能の維持・向上を目的にしていて、専門的なリハビリを受けたい人に向いています。医療やリハビリ専門職の関わりが必要な人や、訓練を目的に通いたい人には特に合いやすいです。

通所リハビリテーションは半日利用と一日利用のどちらがいいですか?

どちらが良いかは、本人の体調、目的、必要な支援内容によって変わります。短時間で訓練を受けたいなら半日利用、一日の流れの中で入浴や昼食も含めて利用したいなら一日利用が合いやすいです。負担感も含めて考えることが大切です。

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